ChatGPTからの流入はどんな質問から?GA4での見方と推定方法
公開日

ChatGPTからサイトに来た人が、AIに何と質問したのかはアクセス解析には残りません。GA4の「AI Assistant」チャネルでの見方と、着地ページから質問を推定する方法をまとめました。
最近、「ChatGPTから来ている人がいるようだが、何を聞かれて来ているのか」というご相談をいただくことが増えてきました。
Googleの検索であれば、Search Consoleを見ると、どのような言葉で検索されて来たのかがある程度わかります。ところがChatGPTなどのAIから来た人の場合、その人がAIに何と質問したのかは、まったくわかりません。
今回は、この「見えない質問」をどう調べるかについてまとめました。結論としては、実際に着地したページから逆算して、質問を推定するという方法をとっています。そのやり方と、GA4でAIからの流入を見る方法をご紹介します。
この記事は、次のような方に役立つと思います。
- ChatGPTなどAIからの流入が増えてきて、中身が気になっている方
- GA4でAIからの流入を正しく見たい方
- SEOだけでなく、AI対策(LLMO/GEO)を考え始めた方
1. AIからの流入は増えているのか?
AIから来た訪問を数えてみると、ここ1年ほどで急に増えているサイトがあります。数か月で数倍に増えたところもあり、その大半がChatGPTから、というサイトもあります。もちろん、増え方は扱っている商品や業種によって大きく異なります。

一方で、売上の中での存在感はまだ小さめです。購入までの30日間のどこかでAIを通った注文(アシスト)で数えても、売上全体の数%程度というサイトもあります。購入直前の流入元だけで数えると、さらに小さくなります。
では、AIからの流入は気にしなくてよいのかというと、私はそうは考えていません。
AIが「最初のきっかけ」になった注文は、AIを通った注文のうちの一部、というケースがあります。つまり多くの人は、別のところでブランドを知ったあと、買うかどうかを検討している途中でAIに質問していると考えられます。
その場では買わずに、後日あらためて購入する。AIは、そうした「購入前の相談相手」として使われていると見ています。
2. AIから来た人は、どのページに着地しているのか?
次に確認したいのが、AIから来た人が最初に開いたページ(ランディングページ)です。ECサイトの場合、私がこれまで見てきた範囲では、
- 商品ページへの着地が半分以上を占める
- 商品の一覧ページ(カテゴリやコレクション)への着地が、少しずつ増えていく
- ブログ記事への着地は、想定していたほど多くない
という傾向が出やすいです。
「AIはブログ記事のような情報を引用するもの」と思われがちですが、ECでは着地の中心が商品ページになることがあります。AIの回答の中で紹介された商品のページへ、直接来ている形です。
なお、AIからの流入はまだ件数が少ないため、「購入した人だけ」のように細かく絞り込むと、数件の違いで割合が大きく変わります。細かく絞り込むほど読み違えやすくなる点には注意が必要です。
3. GA4の「AI Assistant」チャネルで確認する
GA4には2026年5月から、AIからの訪問をまとめる「AI Assistant」というチャネルが標準で追加されました。ChatGPT・Gemini・ClaudeなどのAIから来た訪問を、GA4が自動で見分けて分類します。設定は不要です。
「集客」→「トラフィック獲得」のレポートで、チャネルが「AI Assistant」の行を見れば、AIからの訪問の大部分を把握できます。

上の画像のとおり、Paid SearchやOrganic Socialなどほかのチャネルと並んで「AI Assistant」が表示されます。
ただし、このチャネルだけを見ていれば十分というわけではなく、注意点が2つあります。
【1】過去にさかのぼっては分類されない
分類が始まるのは、それぞれのプロパティにこの機能が反映された日からです。2026年6月ごろから分類され始めたプロパティもあり、それより前のChatGPTからの訪問は「Referral(参照)」などに入ったままになっています。年初からの推移を見たい場合は、次の章の参照元での絞り込みを使います。
【2】すべてを拾えるわけではない
AIに関係する参照元から来た訪問でも、「AI Assistant」に入らないものがあります。参照元が「openai」で自然検索に分類されたものや、UTMの参照元だけが付いていて「Unassigned(未分類)」になったものなどです。1割前後が別のチャネルに入っていたケースもありました。
4. 取りこぼしを減らすための絞り込み方
取りこぼしを減らして確認したい場合は、「セッションの参照元」を部分一致の正規表現で絞り込みます。ただし、参照元が記録されずに「ダイレクト」に入った訪問は、この方法でも拾えません。
chatgpt|openai|gemini|perplexity|copilot|claude\.aiここで注意したいのが、GA4のフィルタにある「一致」と「部分一致」の違いです。同じGeminiでも、参照元には「gemini」と「gemini.google.com」の2通りの書き方があります。「一致」は値の全体がパターンと同じ場合にしか当てはまらないため、「gemini.google.com」を取りこぼしてしまいます。必ず「部分一致」を選んでください。
なお、部分一致で「chatgpt」と指定すると、ChatGPTで作られた個人のページ(〜.chatgpt.site)からのリンクも含まれます。通常は件数が少ないものの、気になる場合は除外してください。
また、AIからの売上は数え方によって大きく変わります。購入までのどこかでAIを通った注文(アシスト)と、購入直前の流入元だけで数えた注文とでは、数倍の差が出ることもあります。社内で数字を共有する際は、どの数え方の数字なのかを添えておくと誤解を防げます。
5. AIに何を聞かれて来たのかは、わかるのか?
ここが今回いちばんお伝えしたい点です。
AIから来た訪問について、サイト側に届くのは「chatgpt.comから来た」という目印と、着地したページだけです。その人がAIに何と質問したのかは、GA4にもほかのアクセス解析にも届きません。質問文は、AIの提供会社の中にしか残らないためです。
手がかりがまったくないわけではありません。Search Consoleに表示される会話のような長い検索語(「〜は何年くらい使える?」など)は、AIを使った検索の跡ではないかと私は見ています。Bing Webmaster ToolsにもAIに関する画面が用意されています。ただし、どちらもあくまで断片的な情報です。
そこで私が取り組んでいるのが、着地したページから質問を逆算する方法です。
実際に着地したページはわかっています。それであれば、そのページがAIに引用されそうな質問を、こちらからAIに聞いてみればよい、という考え方です。

手順は次の4つです。
- 着地ページを調べる:AIから来た訪問の着地ページを、多い順に並べます
- 候補の質問を作る:ページごとに、来た人が聞いていそうな質問を10本前後ずつ作ります。質問は次の3種類に分けます
- 一般:ブランド名を含まない質問(例:「一人暮らし向けの小さい〇〇のおすすめは?」)
- 指名:自社やその商品の名前を含む質問(例:「〇〇(ブランド名)の評判は?」)
- 比較:自社と他社を比べる質問(例:「〇〇と△△の違いは?」)
- AIに実際に聞く:作った質問をAIに投げて、回答と引用リンクを集めます。AIの回答は毎回変わるため、同じ質問を複数回聞きます
- 照合する:回答の中で、実際の着地ページが引用されたかを数えます。引用された質問が、実際の流入のもとになっている質問の候補になります
AIへの質問は、日本・日本語という条件をそろえたうえで、回答の本文と引用リンクをまとめて記録できる形で行っています。同じ条件で何度でも聞き直せること、あとから比較できることが重要です。ChatGPTが回答の裏で検索した言葉まで記録しておくと、「なぜ引用されなかったのか」まで掘り下げられます。
6. 実際に試すと、どのような結果になるのか?
実際に試してみると、質問の種類によって、自社サイトが引用される割合がはっきり分かれることがあります。

ブランド名を含まない一般的な質問では、自社はなかなか引用されません。「初心者におすすめの〇〇は?」のような広い質問では、まったく表示されないことも珍しくありません。
引用されなかった質問を深掘りすると、その理由が見えてきます。
- AIは検索する前に「調べるブランド」を決めていることがある:ChatGPTが裏で検索した言葉を見ると、最初から特定のブランド名が含まれていることがあります。その候補に入っていなければ、そもそも調べてもらえません
- ChatGPTの検索はGoogleとは別物:Googleで上位に表示されているページでも、ChatGPTの検索結果にはほとんど出てこない、ということがあります
- 引用されやすいのは第三者の比較記事:「おすすめ○選」のような比較・ランキング記事や、大手ブランドの公式サイトのよくある質問が引用されやすい傾向があります。そこに自社の商品が載っていなければ、回答にも登場しません
一方で、色や素材を細かく指定した質問や、「買う前に試せるサービスはあるか」のような購入前の相談など「その会社にしか答えられない」質問では、自社がきちんと引用されることがあります。また、指名や比較の質問では、ほとんどの回で引用されやすい傾向があります。
ここから、商品ページに着地している人の多くは、すでにブランド名や商品名を知ったうえでAIに質問しているのではないかと考えています。1章で触れた「購入前の相談相手」という見方とも一致します。
ただし、業種やサイトの立ち位置によって結果は大きく異なります。その分野で名前が知られているサイトであれば、一般的な質問でも毎回のように引用されることがあります。そのため、ぜひ自社で確かめていただきたいと考えています。
7. 結果をもとに、何から手を付けるべきか?
結果が上のような傾向であれば、AI対策(LLMO/GEO)として打つ手は、次の優先順位で整理できます。
- 第三者の比較記事・ランキング記事に載る:AIが最初に決める「調べるブランドの候補」に入る近道にもなります
- 自社にしか答えられない質問に答えるページを作る:サイズや対応する組み合わせの一覧、保証・修理などアフターサービスの案内などです
- 特集ページを「質問に答える形」にする:重さ・大きさ・価格の比較や、よくある質問への直接の答えを入れます
- Bingでの扱いを確認する:Bing Webmaster Toolsに登録し、ページが登録されているかを確かめます
あわせて整えておきたい、テクニカルな下地
上の打ち手とあわせて、AIがページの内容を正しく読み取れるよう、技術的な下地も整えておくことをおすすめします。
- AIのクローラーをブロックしていないか確認する:robots.txtで、ChatGPTの検索用のクローラー(OAI-SearchBot)などを拒否していると、ChatGPTの検索の回答の中で紹介されなくなります(案内用のリンクとしては表示されることがあります)。学習用のクローラー(GPTBot)とは名前が分かれているため、学習には使わせず、検索には表示させる、という設定もできます
- 構造化データ(構造化マークアップ)を入れる:商品(Product)、よくある質問(FAQPage)、会社情報(Organization)、パンくずリスト(BreadcrumbList)などをschema.orgの形式で記述し、価格や在庫、評価といった情報を機械が読み取りやすい形にします。AIの引用に直接効くと公式に示されているわけではありませんが、検索エンジンにもAIにも内容を正しく伝えるための下地になります
- よくある質問を本文として置く:AIに聞かれそうな質問と、その答えを、商品ページや特集ページの本文に「見出し+短い答え」の形で書いておきます。構造化データのFAQPageとあわせて整えると、質問と答えの対応がより明確になります
- 重要な情報をJavaScriptだけで表示しない:AIのクローラーの中には、JavaScriptを実行せずにHTMLだけを読むものがあると言われています。価格・仕様・在庫などの重要な情報は、HTMLの中に書かれている状態にしておくと安心です
テクニカルなAI対策については、別の記事であらためて詳しくまとめる予定です。
8. この方法の限界
便利な方法ですが、限界もあります。
- 実際の質問文がわかるわけではない:わかるのは「この質問であれば、このページが引用される」というところまでです。候補の質問で引用が再現できても、それが実際に聞かれた質問だと証明されたわけではないため、検証のための仮説として扱います
- 候補の質問は人が作る:用意しなかった質問は調べられません。結果を見ながら質問を追加していく前提です
- AIの回答は毎回変わる:1つの質問を複数回聞き、ある時点の結果として扱います
- AIごとに結果が異なる:ChatGPTでは引用されないページが、GoogleのAIによる概要やGeminiでは引用されることもあります
それでも、まったく見えなかった「AIへの質問」が少しでも見えてくると、打ち手はかなり考えやすくなります。
まとめ
今回は、ChatGPTなどAIから来た人の「見えない質問」を推定する方法についてご紹介しました。
- AIからの流入は、検討の途中で使われ、商品ページに着地して後日購入される、という使われ方になりやすい
- GA4では「AI Assistant」チャネルで大部分を確認でき、取りこぼしは参照元の部分一致の正規表現で減らせる
- AIへの質問文はアクセス解析には残らないが、着地ページをもとに候補の質問を作ってAIに聞くことで、どのような質問で引用され、どこで負けているかを推定できる
- 打ち手は、第三者の比較記事への掲載や自社にしか答えられない情報の発信に加え、クローラー・構造化データなどテクニカルな下地も整える
まずは自社のGA4で、「AI Assistant」のチャネルと、AIから来た人がどのページに着地しているかを確認するところから始めてみてください。ご覧になった方の参考になれば幸いです。
AIからの流入の分析や設定については、弊社でもご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。
生成AIは進化が早いため、この記事の内容はあくまで執筆時点(2026年10月)のものです。